セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?


ヨウはポケットからいくつかのカラフルな小袋を出して見せると

「こっちでは女の子も結構持ってるよな。俺のはこっちの男友達が変わったのを見せては、くれる」

そう言って自分でペラペラと見てから

「ゆーあだっけ?見る?」

と私に差し出してくる。

「…いい」

触れたこともないものに触れることに戸惑いがあったからそう言ったものの、高校生がキャッキャと中身を開けていたものへの興味がないわけではない。

「なんか…匂いがする?」
「ああ…どれだ?これとこれが、そういうのじゃね?」

手渡されたふたつの小袋を見ると、strawberry、chocolateと書いてある。

「香りつきの消しゴムみたい」
「ははっ、ゴムに違いないからな。ちゃんと持ってる?それ、あげるよ?」
「いいよ」
「自分の身は自分で守るんだよ?」

ああ、そうか…そうなんだよね。皆、親から避妊具を渡されているのはそういうことなのよ。ヤるとかヤられたではなく、病気や望まない妊娠から身を守るためだと教えられている。その根本的な考え方も違うんだ。

「…使ったことないから…それでも持ってると…守れるもの?」
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