セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?
「それな…日本の学校では使い方を教えないよな」
「ぇ…学校で習うもの?」
「アメリカは州によるけど、ここは中学で教えるし避妊具が配られるって。フィンランド人の女の子も中学で使い方を習ったって言ってたよ。避妊は二人でするものっていう考え方で男女一緒にその授業を受けてたって。アメリカのよその州のヤツは小学校の教室で‘コンドーム欲しい人~?’って先生が皆に聞いたって」
スランバーパーティーで自分が遅れているような気になっていたのとはまた違う感覚に襲われる。恥ずかしい話をよくオープンにするなぁ、と思っている方がおかしいのかもしれない。
どこの国の音楽か分からないリズミカルな曲に合わせて自然にリズムをとって踊り出す多国籍の男女を見ていると、地球上で生きている人間同士。どこで何があってもおかしくないのか…とボーッと考えていると
「俺と使ってみる?教えるけど?」
さっきまで普通に話していたヨウが、私の耳元で囁く。こそこそ言わなくても日本語の分かる人は少ないよ、と冷静に思う私と、今が学習のチャンス、とドキドキしながら思う私が一瞬脳内で共存した…すぐあとに、開放的な雰囲気に飲まれ浮かれた私が
「怖くないなら…お願い…」
と答えていた。だから私の初体験はヨウに無理やり押し倒された訳でもなく、合意の上でのことでヨウが悪い訳ではない。ただ結果的には、部屋に鍵は掛かっていたものの周囲を気にしながら、痛い思いをしたという記憶だけが色濃く残ってしまった。