死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。


「…見つけましょ…」




「やった!やっぱ、2人だと安心だしね」


そう言って、笑った。

女の人はやっと立ち上がって、
「君の名前は?と聞いてきた。」



「あ、えっと永野 夏菜です。」


「夏菜ねぇ…夏野菜!いい名前ね」

ああ。誰かに言ってほしかったんだ…。
ありがとう。女の人。




「私はね。新垣 緑【しんがき みどり】っていいます。しんがっきーって呼んでねー」


し、しんがっきー?そんなの言えるわけない…。



「緑さんですか、いい名前ですね!」



「いやだからしんがっきーだって」



「ほ、他の子みんなそう呼んでるんですか…?」



「……いや、みんな緑っていってくる」



「あ、ああ。そ、そうですか」


なんとなく気まずくなってしまった。ごめんなさい…。



「じゃあ、行こうか!」



この雰囲気をぶち壊してくれるように、緑さんは元気よく言った。

こんな優しくて明るい人憧れてるなぁ。


一見、大人しい性格のようなロングヘアとは裏はたに、明るくて元気な人だ。  



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