死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

放課後教室

次の日の放課後。



勉強が全然分からなくなった時は、窓の先の空を見ている。



夏の青空。ヒラヒラと舞う葉。優雅に飛ぶ鳥の集団。



先生の話、わからないなぁと思ったら、
もう私は先生の話は聞かず、窓の先を見ている。



そうすれば、あっという間に放課後になる。


そんな事を考えながら、机にひじをついて、窓を見ながら爽玖くんが来るのを待っていた。



みんな、先生も教室からいなくなった。
 



私は1番端っこの席なので、空が見れて本当にそこは嬉しい。



ガラッ−

 

少し首を回すと、彼がいた。


「すみません。お待たせしました。」


走ってきたのか、少し息切れしている。

「あ、全然大丈夫。」


私は笑いかける。


教室で男女2人でいたら、
色々と噂されるような感じになるかもなので、
一応ドアを閉めておく。
 

「どうしたんです?なんか考え事ですか?」


そんなことを言いながら、少し考える動作をし、爽玖くんは私の向かいの席に座った。

そして椅子はそのままで、身体ごと座ったまま私の方に向く。
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