死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。
今日は、色んな事があった1日だったと思う。


私は自分がわからない。


ううん。心の中で隠していた。


でも、それを爽玖くんが本当の私の声を聞く、手助けをしてくれたのかもしれない。


空を見ると、雨はやんでいた。


綺麗な青空が暗い雲の隙間から顔を出している。

雨上がりの空は本当に美しい。

空はずっと素直で優しいし、時には雨のように泣くときもある。

その下で生きる私達は、小さな些細な事でちびちび悩んでいる。バカらしく感じてしまう。

けど、懸命に皆生きている。

空も、虫も、動物も、植物も、物も、人間も。

懸命に生きるからこそ、尊く、美しく感じるのだ。


こんな事を思うのは、いつぶりだろう。

今日は金曜日だから、2日爽玖くんに会えない。なんだか寂しいかも。


すると、いつも通る大きな坂の前に立った。ここは綺麗な夕陽を見れるので、私は好き。

爽玖くんと、来てみたい。

不意にそう思った。
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