意地悪王子には騙されない。
真優(なんかすごい視線を感じる……)


ノートに書く作業が終わったものだから、頬杖をついて真優を見つめる。


李音(暇だしま〜ちゃんの模写でもしよ)


そんなことを考えながら、シャーペンを走らせて真優を描いていた。


そして、授業が終わると……。


真優「李音くん、ちゃんと勉強したって……え?」


ポカンと口を開けたまま、李音の描いた自分に驚いていた真優。


李音「思いの外うまくかけちゃった」

真優「す、すごっ……!?」
  (しゃ、写真みたい……!!)

李音「ふふっ、ま〜ちゃんに褒められるなんて光栄だなぁ。そうだま〜ちゃん、これから授業サボってデートしない?」

真優「えっ?絶対無理」

李音「釣れないなぁ。じゃあ放課後は?」

真優「私、近づかないでとも言ったよね……?忘れてる?」
  (また目立つような羽目になるのは絶対
   に嫌だ……)

李音「何したら許してくれる?」


にっこり微笑みながら真優に李音がそう聞く。


真優「もう、今日みたいなことしなければいいよ」

李音「わかった、“みんなが”いる前ではしない」

真優「じゃあ許してあげる……」


何か引っ掛かりつつも、とりあえず李音を許してあげた真優。


真優「ところで、勉強李音くんもちゃんとした?」

李音「うん、ほら見て」


ノートを広げて真優に見せると、綺麗な文字が綴られていた。


真優「す、すごいっ……やっぱり李音くんはやればできるんだね!」


そう言いながらにっこり微笑んでくれたのが嬉しくて、李音は心をぎゅっと掴まれたような気分に陥っていた。


李音「うん、そうだよ。惚れた?」

真優「全然!じゃあ私もう移動するね」

李音(ま〜ちゃん、本当ずるい……)


清々しいほどに惚れていないと言われて、悲しい気持ちもあればそんなところも好きで溢れてしまっていた。


杏奈「真優一緒に行こ〜」

真優「うん!」


そんな会話をして遠ざかっていく愛しい人から目を離さずに、また彼は好意をこじらせていくのであった。


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