【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
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リュミエールがフィースバークの家を出た時は、年を明けて一月も経たないころだったので、この寒いハーケンブルグ領では、所々にまだ雪がつもっている。
忙しいレクシオールに変わり、気分転換にとフレデリクが連れ出してくれて、今リュミエールはケイティと共に城の外を散策していた……。
ちなみに彼は彼で忙しいらしく、ここに姿を見せるのは、数日に一度と言った所なのだが、その時は必ずリュミエールに気を使ってくれる。レクシオールを弄ったりと少し困ったところはあるが……優しい兄がいたらきっとこんな感じなのだろうと、彼女は思う。
「あっ、姫様見て下さい! 山があんなに白くて、お砂糖の山みたいですよ!」
ケイティの言うように遠くにそびえたつ山は白く雪化粧をしていて美しいが……それを見てリュミエールは別の事を考える。
(彼らは無事でいるかしら……一人も欠けることなく帰って欲しい)
先日礼拝堂で関わった兵士達の身を案じ、リュミエールは今一度祈りを捧げる。
リュミエールがフィースバークの家を出た時は、年を明けて一月も経たないころだったので、この寒いハーケンブルグ領では、所々にまだ雪がつもっている。
忙しいレクシオールに変わり、気分転換にとフレデリクが連れ出してくれて、今リュミエールはケイティと共に城の外を散策していた……。
ちなみに彼は彼で忙しいらしく、ここに姿を見せるのは、数日に一度と言った所なのだが、その時は必ずリュミエールに気を使ってくれる。レクシオールを弄ったりと少し困ったところはあるが……優しい兄がいたらきっとこんな感じなのだろうと、彼女は思う。
「あっ、姫様見て下さい! 山があんなに白くて、お砂糖の山みたいですよ!」
ケイティの言うように遠くにそびえたつ山は白く雪化粧をしていて美しいが……それを見てリュミエールは別の事を考える。
(彼らは無事でいるかしら……一人も欠けることなく帰って欲しい)
先日礼拝堂で関わった兵士達の身を案じ、リュミエールは今一度祈りを捧げる。