【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~
 もう他家に援助を頼むしか、どうしようもないというのに……。

 あの公爵は、リュミエールを実家に戻すことを(ほの)めかしたこちらに、その場合法的な措置を取り、断固拒否するとまで言って来た。

 いつの間にそこまで公爵を(たぶら)かしたのだ、あの出来損ないめ……!

「ハァ、ハァ……もう、もうどうしようもないのか? い、いや……まだ最後の手段がある」

 オルゲナフはごそごそと机の引き出しを漁りだし、あるものを取り出した。
 怪しい紫と、透明の液体が入った二つの瓶。

 それらを眺めていたところに、扉を叩かれビクンと背筋を伸ばす。

「だ、誰だッ……!!」
「お父様、私よ! 聞いてちょうだい……!」
「リ、リーシアか……」

 扉を開けて憤怒の表情を見せたリーシアは、リュミエールへの不満をぶちまける。

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