水と油の私達
「そんなことないっ」



大きな声でそう言う薪くん。

辛そうな顔で、彼は私を見る。



「汚くなんか、ないよ」

「でも…」

「由乃ちゃんは綺麗だ…」

「っふ…うっ、ぐすっ…っ、ずっ、、ぐすっ」



薪くんの言葉に涙が溢れてくる。

汚くないって、綺麗だって…

お世辞でも嬉しかった。

例え嘘でも嬉しかった。




「ありが、とっ」

「ん…」




薪くんはずっと私のことを抱き締めてくれた。

私は薪くんの胸に顔を当てながら、声をあげて泣いた。



「あのね、薪くん...」

「なに、由乃ちゃん」

「好き」

「え...?」



驚くほどすんなりと、私の口からでた言葉に、薪くんよりも、私の方が驚いていた。

え...私、なに言って...

鏡を見なくてもわかる、私、今きっと顔真っ赤だ...



「由乃ちゃん、ほんと?」
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