貧乏×御曹司は毎日が驚きで
【覚悟】

「はぁぁ....」

ハート割りゲームで絶対優勝したかったのに...と惜しくも優勝を逃してしまい気分は完全にブルーである

柊馬くんも普段は冷たいのに協力してくれるなんて、やっぱり食堂1ヶ月タダ券に必死だったんだよね...

食堂で1回食べてみたいという願いもかなえられないのに1ヶ月だなんて私にとっては夢のまた夢の話

なんでそんなに豪華な賞品を急に用意したの...?と今にも泣きそうだ

だけどこんな時にめそめそしている場合じゃない、弟とお父さんのためにも頑張るって決めたんだ

食事はいつも通り自分で作って食費を抑えればそれでいい

そう思うと気が楽になったが

元気にしているかなぁ...と弟を思い出して心配になる

リビングでお茶を飲みながらゆっくりしていると

柊馬くんの部屋から「ガチャ...」とドアが開く音がして反射的に目を向ける

何故か出てきた柊馬は眉間に皺を寄せて難しい顔をしていた

何かあったのかなと疑問に思っても声には出せない

「俺の分飯作ったか?」

えっ...今晩も私が作るって約束したっけ...どうしよう...

目が髪の毛で隠れていて見えなくとも何故か機嫌があまり良さそうでないことがわかる。

「ごめんなさい....用意してなくて...」

あぁ...お嫁さん失格だよな私...弟やお父さんの心配をしている場合じゃない

今集中するべきは私達の事だよねっ....柊馬くんは私の旦那さんなんだから

「いやそうじゃない、俺今晩は留守にするから作って貰ってたら悪いが明日の朝食うからって意味だったんだ。そんな顔するな」

いつもは冷たい柊馬くんが何故か私の頭をぽんぽんと優しく触れるとそれじゃあと忙しそうに出ていってしまった

私は「ふぇ....?」と状況が掴めず全身の力が抜けていく

柊馬くんに触れられた部分がまだ熱い

こんな風に誰かが私に優しく触れてくれたのはいつぶりだろう...心の奥に閉じ込めていた寂しさが溢れ出し思わず涙がこぼれた

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