夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
『俺の手は君を傷つけるためにあるんじゃない。君を守るためにあるんだ』
「シャーリー」
「ごめんなさい。まだ、全てを思い出すことはできませんが、団長の手は怖くありません。それだけを伝えたくて……」
「俺からも君の手に触れてもいいか?」
彼女はまだ、ランスロットの人差し指を握ったままだ。指一本分の接触しかない。
「嫌だったら、すぐに拒んでくれ」
ランスロットは、人差し指を握っている彼女の手を、大きな左手で包み込んだ。
ピクっと彼女が緊張した様子は伝わってきたが、拒まれている感じはしなかった。
「シャーリー。嫌か?」
「嫌ではありません。私、本当に団長のこと、好きだったんですね……」
彼女自身のことであるのに、どこか他人事のようにも聞こえる。
「ですが。まだ、全てを思い出すことはできません。ただ、団長の手が懐かしいと、それだけです」
人差し指を握っている彼女の手に力が込められた。
「俺としては、こうやって少しでも君と触れることができて嬉しい。何も焦る必要はない。ゆっくりと思い出してくれ」
「ごめんなさい」
「なぜ謝る?」
「だって私。本当であれば団長の奥さんなんですよね。奥さんらしいこと、何一つできていない」
「それは」
シャーリーが言っていることは間違ってはいない。彼女はランスロットの妻だ。そして新婚だ。結婚してから、新婚らしい生活は送っていない。
「シャーリー」
「ごめんなさい。まだ、全てを思い出すことはできませんが、団長の手は怖くありません。それだけを伝えたくて……」
「俺からも君の手に触れてもいいか?」
彼女はまだ、ランスロットの人差し指を握ったままだ。指一本分の接触しかない。
「嫌だったら、すぐに拒んでくれ」
ランスロットは、人差し指を握っている彼女の手を、大きな左手で包み込んだ。
ピクっと彼女が緊張した様子は伝わってきたが、拒まれている感じはしなかった。
「シャーリー。嫌か?」
「嫌ではありません。私、本当に団長のこと、好きだったんですね……」
彼女自身のことであるのに、どこか他人事のようにも聞こえる。
「ですが。まだ、全てを思い出すことはできません。ただ、団長の手が懐かしいと、それだけです」
人差し指を握っている彼女の手に力が込められた。
「俺としては、こうやって少しでも君と触れることができて嬉しい。何も焦る必要はない。ゆっくりと思い出してくれ」
「ごめんなさい」
「なぜ謝る?」
「だって私。本当であれば団長の奥さんなんですよね。奥さんらしいこと、何一つできていない」
「それは」
シャーリーが言っていることは間違ってはいない。彼女はランスロットの妻だ。そして新婚だ。結婚してから、新婚らしい生活は送っていない。