夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
 自席から、彼女は頭を下げた。
 その様子を見ていたランスロットは、ちっ、と悔しそうに舌打ちをする。
「で、何の用だ?」
 ランスロットは声を潜めた。
「毎朝の恒例」
「本当にそれだけか?」
「様子を見に来ただけだろう? お前たちの」
「そうか。だが、特に気になることはなかった」
「そう。なら安心だ」
 ジョシュアはお菓子に手を伸ばした。
「お前のところのお菓子は、センスがいいな。屋敷から持ってきているのか?」
「シャーリーが選んでいる」
「そうか。次の茶会にどのような菓子を出したらいいか、マリアンヌが悩んでいたから、シャーリーを相談役に借りてもいいか?」
「駄目に決まっているだろう?」
「心の狭い奴だな」
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