夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
 ジョシュアはニタリと笑った。
 彼は、お茶を飲み、お菓子を食べ終えると、部屋を出て行った。
「また来るよ」
「もう来るな」
 このやり取りまでがいつものことである。
「団長。本日の予定です。朝議を欠席されましたので、議事録は事務室から控えを受け取って参ります」
「わかった、ありがとう」
 ランスロットの目の前にシャーリーが立っている。そして、書類を手渡してくれた。
 テーブルの上に置いてのやり取りから、手渡しにまで進歩した。
「こちら、片付けますね」
 ランスロットが立ち上がると、シャーリーはテーブルの上のカップとお菓子を片付け始めた。
 その様子を見ているだけで、ランスロットの心は多幸感で満ちていた。

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