夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「おい、ランス。なぜ私を見る? まさかお前。その惚れ薬でも使われたのか? 私に惚れるなよ」
「違う。今のレイモンの話を聞けば、誰に薬を使うのかが重要になってくるだろう。狙われるとしたら、王族関係者が最初にあがるんじゃないのか?」
「私はマリアンヌ一筋だ」
「ブラム。今の情報から、惚れ薬を調薬できそうな魔導士、そして惚れ薬を使われそうな人物を洗い出せ」
「団長。情報、少ない。ま、やりますけどね」
「それから、事前に自白魔法の申請を行うが、問題はないか?」
 ランスロットは隣のジョシュアに尋ねた。自白魔法の申請には時間がかかるが、事件が重大なものに発展すると認められた場合、その事件を事前に防ぐために特例での事前申請が認められる。
「お前はこの事件の当事者になる可能性が高い。事前申請は私が行おう」
 ジョシュアの中では、ランスロットが事件関係者になるものと思われているようだ。
 だが、シャーリーが巻き込まれている今、その可能性は否定できない。
「ジョシュア……。やっと仕事をする気になったのか」
「私はいつでも仕事をしている」
「のわりには、ここに来てばっかだよな。暇なのかと思っていた」
「お前とシャーリーの様子を確認するのも、私の仕事だ。ところで、シャーリーはどうした? 彼女の護衛を頼んだはずだが」
 やはり彼女に気づかれてしまった。彼女の話題出さずに、この話を終わらせようとランスロットは考えていたのだ。
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