夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
「腹が減った。だけど、腕が痛くて食べられない。食べさせてくれ」
「腕が痛いって。怪我をしたのは左腕でしょう? 右手でスプーンもフォークも使えるし、あなたの執務にも影響はありません」
ピシャリとシャーリーが言い放つが、それでもランスロットは口を開けて待っている。
「もう」
仕方なくシャーリーが、切った肉をフォークで彼の口の中へ運ぶ。彼は嬉しそうにそれをパクリと咥え込むと、もぐもぐと口を動かす。
「次はパンが食べたい」
どうやら彼は、とことん手を使わない気でいるようだ。
呆れた様子で苦笑を浮かべるシャーリーであるが、それでも彼の言葉には従う。
このような穏やかな気持ちになれるのが、不思議で仕方ない。
パンをちぎり、彼の口元にまで運ぶと、指ごとぱくりと食べられてしまった。
「もう。なにやってるのよ。あとは自分で食べなさい」
パンを置いた皿をランスロットに無理矢理押し付ける。
「シャーリー」
どこか甘えたような声で、ランスロットが彼女の名を呼ぶ。
「もう」
そう言いながらも、彼女の口元は綻んでいた。
ささやかな幸せだった。だからこそ、シャーリーはあのときの違和感をすっかりと忘れてしまっていた。
「腕が痛いって。怪我をしたのは左腕でしょう? 右手でスプーンもフォークも使えるし、あなたの執務にも影響はありません」
ピシャリとシャーリーが言い放つが、それでもランスロットは口を開けて待っている。
「もう」
仕方なくシャーリーが、切った肉をフォークで彼の口の中へ運ぶ。彼は嬉しそうにそれをパクリと咥え込むと、もぐもぐと口を動かす。
「次はパンが食べたい」
どうやら彼は、とことん手を使わない気でいるようだ。
呆れた様子で苦笑を浮かべるシャーリーであるが、それでも彼の言葉には従う。
このような穏やかな気持ちになれるのが、不思議で仕方ない。
パンをちぎり、彼の口元にまで運ぶと、指ごとぱくりと食べられてしまった。
「もう。なにやってるのよ。あとは自分で食べなさい」
パンを置いた皿をランスロットに無理矢理押し付ける。
「シャーリー」
どこか甘えたような声で、ランスロットが彼女の名を呼ぶ。
「もう」
そう言いながらも、彼女の口元は綻んでいた。
ささやかな幸せだった。だからこそ、シャーリーはあのときの違和感をすっかりと忘れてしまっていた。