夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
◆◆◆◆
ランスロットは斜め前で食事をしているシャーリーに視線を向けた。彼女は黙って手を動かしている。
彼女がランスロットの正面に座らないのは、できるだけ距離を取ろうとしているからだ。
斜め前に座ってちょうど六歩の距離が離れている。
そしてランスロットがいつも上座に座らないのは、正面からシャーリーを見ていたかったからだ。彼女が目を覚ましてからは、斜め前から彼女を見つめている。
「シャーリー」
ランスロットは視線を目の前のメインディッシュに落としたまま、彼女の名を口にした。
「……はい」
少し躊躇してから、シャーリーは返事をした。食事の時間はいつもそうだ。ランスロットが話しかけても、「はい」か「いいえ」か「不満はありません」しか言わない。
「先ほどは助かった。ありがとう。やはり、君がいないと俺はまともに会計報告もできないようだ」
「はい」
彼女の「はい」が昨日の「はい」よりも幾分、明るくなっていたことにランスロットは気がついた。
(今は、それだけで十分だ……)
焦っても仕方ない。
ランスロットは斜め前で食事をしているシャーリーに視線を向けた。彼女は黙って手を動かしている。
彼女がランスロットの正面に座らないのは、できるだけ距離を取ろうとしているからだ。
斜め前に座ってちょうど六歩の距離が離れている。
そしてランスロットがいつも上座に座らないのは、正面からシャーリーを見ていたかったからだ。彼女が目を覚ましてからは、斜め前から彼女を見つめている。
「シャーリー」
ランスロットは視線を目の前のメインディッシュに落としたまま、彼女の名を口にした。
「……はい」
少し躊躇してから、シャーリーは返事をした。食事の時間はいつもそうだ。ランスロットが話しかけても、「はい」か「いいえ」か「不満はありません」しか言わない。
「先ほどは助かった。ありがとう。やはり、君がいないと俺はまともに会計報告もできないようだ」
「はい」
彼女の「はい」が昨日の「はい」よりも幾分、明るくなっていたことにランスロットは気がついた。
(今は、それだけで十分だ……)
焦っても仕方ない。