アイドルに恋した日
ep.5

愛美side

緊張しながら学校に向かう。


「何で緊張してるんだろう、、。恥ずかしい、、、!」


緊張からか、授業内容は全くと言っていいほど入って来ず、

いつの間にか4時間目の授業の終盤に入っていた。

運よく4時間目の授業は少し早めに終わってくれた。

昼休み龍さんの言われたとおり美術室の方に向かう。


「横の教室って言ってたけど準備室のことかな?」


ガラガラガラ


美術準備室を開ける。

そこにいたのは、想像していなかった豹さんの姿だった。


「あれ?豹さん?」

「え、愛美ちゃん?なんでここにいるの?」


豹さんにお願いしたのかとおもったが

どうやら驚いている様子から察するに、何も知らなかったっぽい。


「龍さんから渡したいものがあると言われて来ました。」

豹さんの近くにはとてもきれいな絵が描かれていた。


「何書いているんですか?って、、、うま!!!!」

あまりにも上手な絵に声を大にして言ってしまった。


「んー、ありがとう笑褒められると恥ずかしいな。今は風景画を描いてる。」

私の見ながら笑う豹さんの手元の紙には曇り空が描かれていた。


「さっき雨降ってたでしょ?そして今は曇り。」

豹さんの表情は少し暗く見えた。


「なにか悩んでますか?」

「ん?まー少し?相談乗ってくれる?」

「はい、私で良ければ」


また少し笑顔になった豹さん。もっと笑顔になってほしいと思った。
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