幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
 「今日で大体打ち合わせが終わりましたので、そろそろ帰ります。では店長また。」
 そう言うと、綺麗に足を回してスツールを下りる。女優みたい。

 彼女が居なくなった瞬間、腕を引っ張られ、奥へ。
 「結城、しばらく頼む。」

 そう言い残すと、階段を私の腕を引いて上がっていく。
 結城君はこちらを見て、手を振っている。
 なんで笑ってんのよ!

 玄関を入ると、靴を脱ぎ奏ちゃんについていく。
 振り向くと怖い顔をして睨まれる。

 「どうしたんだ?店から入ってくるとか。ここ最近お前の様子が変だと思ってはいたが……。」

 ぷいっと横を向いて、腕組みをする。
 「何怒ってんだよ?まさかお前。」
 「あの人何なの?」

 「……客。仕事の打ち合わせも兼ねてきてる。」
 「ふーん。毎日来るような仕事なの?店のこと?」

 「緑、お前。まさか、毎日見てたのか?最近帰りが割と早いとは思っていたが、その割には機嫌悪くて話しかけても……。」
 「ねえ、何の打ち合わせなの?」

 「……それは、まだ決まってないから言えない。」
 言えない?私に?
 「……そう。わかった。なら、今日は隣に帰る。」
 びっくりした顔をした奏ちゃんが私の腕をつかみ、抱き寄せた。

 
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