Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
まずは夕食の時間。

夜ご飯を一緒に頂く。

食卓には色とりどりのおかずが並んでいた。

洗面所で手を洗っていると、ヨウがやって来て、あたしの耳元で囁いた。

『今日、母さんな。張り切ってご飯作り過ぎてさ…。もしお腹いっぱいになったら、残してもいいからな。』

『残さないって!大丈夫。すごーく、お腹空いてるから!』

なんとなくそんな気がして、昼ご飯を抜いているから空腹だ。

『なら良かった。そろそろツクシを呼ばないとな。ちなみに今日は父さん、出張でいないんだ。』

『そうなんだ!お父さんには会ったことないから、緊張するなぁって思ってたよ。』

ヨウは、ツクシくんを呼びに2階へ向かった。

洗面所を出て食卓の方へ向かうと、ヨウとツクシくんが1階へと降りてきた。

『それでな、母さん作り過ぎてて。』

『ふーん。あ、良い匂い…!』

あたしは大丈夫、落ち着いている。

全員、席についた。

それを確認したヨウのお母さんが、口を開いた。

『みんな揃ったわね。それじゃあ、食べましょう!』

『わー、どれも美味しそうですね!頂きまーす!ん、おいしー!これも…。おいしー!』

その言葉を聞いて、あたし達は食べ始めた。

どの料理も美味しそうだし、実際に味も美味しい。

お箸がどんどん進む。

『そう言ってもらえて嬉しいわぁ。ほんと、ミツバちゃん良い子ね。もうウチの子にしちゃう!』

『母さん…。頼むからミツバに絡まないでくれ…。』

『いいじゃない、兄さん。たまには。』

ヨウは困った顔をしてるし、ツクシくんとお母さんは笑っている。

この家族が好きだなぁって、改めて思った。

自分の家族に不満がある訳ではないけど、この暖かさは良いなって思う。
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