魔女の瞳Ⅳ
第一章

夢?

それは、妙に生々しい夢だった。

薄暗い、蝋燭の灯りだけが頼りの部屋。

湿気の強い、石を組んで作られたその部屋は、地下室のようにも思える。

…その部屋に、二人の人物。

一人は男だった。

私には馴染みのある、中世貴族が好んで身につけていた仕立ての良い衣服。

口髭を蓄えた、40代くらいの男。

外見は、穏やかな雰囲気を纏っている。

が、目を見ればすぐにわかる。

この男はまともな精神を持っていない。

他者を嬲り、慰み者にして平気でいられる男。

他人の命と金を秤にかけ、平気で後者を選択する事のできる外道に違いなかった。



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