しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
ドク、ドク、ドク……。

「次は、宮城ノ萩(みやぎのはぎ)。次は、宮城ノ萩。お降りの方は……。」

悠輝がカウンセリングを受けている間に、梨穂菜はバスに乗って、彼らの居る病院へと向かっていた。

車内アナウンスが、耳の奥で響くような感じが続き、梨穂菜は酷く緊張していた。

(今頃、加村さんは、ニイバシ先生に告白してるのかな……。)

「加村さんの告白の邪魔はしたくない。」これは梨穂菜が、この日までに考えて、考えて出した結論だった。

(加村さんの想いをニイバシ先生が受け取っても、もし……駄目だったとしても、あたしの気持ちだけは伝えたい!!)

(あたしの恋愛のモットーは……、『真直ぐ突き進むのみ』だっ。)

「お待たせしました。宮城ノ萩、宮城ノ萩です。」

バスが、加村さんが「君にだけだよ。」と教えてくれた、病院の近くで止まった。

(ここから徒歩で5分か……。)

バス停から目的地には、真直ぐに道が伸びていた。

梨穂菜が病院に向かって歩き出している時、ふと、ベンチに座ってうずくまっている人が見えた。

(!)

「加村さんっ。」


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