しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
あたしは、すぐさまベンチへと駆け寄った。

加村さんに近付いて、ドキリとする。

(!)

「なんだ……。」

(泣いているのかと思った。)

加村さんは、しっかりつぶっていた目を開けて、

「何が?」

と、聞いてきた。

「!」

(び、びっくりした……!急に目を開けるから…。)

「えっ……と。」

あたしは、何を言って良いのか、混乱した。

(『告白どうだったんですか?』なんて、聞けっこないし……。)

「観月ちゃん、もしかして、俺の事心配して来てくれたの……?」

加村さんは、ベンチに座ったまま自分の足に肘をつき、あたしの方を見ないで言った。

「えと。あたしは、加村さんが元気なら、それで良いんです!」

あたしは、言いながら、

(わー!意味不だよー、あたし!答えになってないし。)

と、表面上も、心の中も緊張していた。

「あはははっ!」

「……えっ!?」

加村さん、笑ってる?

て、ことは、

(告白が上手くいったのか……。)

「ありがと。俺は、元気だから、気にしないで。」

ぽんぽんと、肩を叩かれながら、あたしは、鼻の奥がツンと痛む感じがした。

「あの……、加村さん。こんなこと私が言ったら、困るかと思うんですけど……。聞いてもらえますか?」

あたしは、唇が震えるのも自覚しながら、そう言った。

「ん?何?」

加村さんは、いつもの優しい声で、そう言ってくれた。


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