しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
思わず、

「そんなっ!?……また、自分のことを否定していませんか?」

と、あたしは加村さんに詰め寄った。

「ううん。」

加村さんは、穏やかな表情でこちらを見ながら言った。

「『気持ちに応えられないけど、私は悠輝くんのことを、ここからずっと応援してるよ!』って、言ってくれたんだ、亜犁安さん。」

ほぅ……。

と、一息つき、加村さんは続けた。

「それを聞いたとき、何だか『フられたのが、辛い』なんて、全然感じなかった。『カウンセリングを辞める』って、決めた時点で、俺の真犁安さんへの恋……。って呼べるのかな、とにかく、好意の感情は、想い出に変わってた。」

室内の椅子に座り直して、加村さんは、あたしを見上げた。

「観月ちゃん。」

ずっと静かだった加村さんの声が、少し大きくなって、力強い感じを与えてきた。

「はい?」

あたしも、真剣に加村さんの顔を見た。

「ごめんね?」


< 62 / 65 >

この作品をシェア

pagetop