しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

「……………。」

加村さんは、あたしの顔を見て、呆気にとられていた。

(やっば!強く言い過ぎたかな!?)

「フッ……。」

「え?」

「あはははっ。」

加村さんが、声を押さえながらも、大笑いする。

「あは……。分かっ、分かった。」

笑いを堪える。

「ゴメンな、ミツキちゃん。」

そして、加村さんは、ぽんっと、右手を私の頭に置いた。

あたしは、思わずかあああっと、顔が赤くなる。

ムキになり過ぎたのが恥ずかしいのか、加村さんが急に優しくなったことが嬉しかったのか。

頭がぼーっとして、考えられない。

それと、彼のあの笑顔。

(あぁいうトコ、好きだなぁ。)

バイト中なのに、物思いにふけってしまう。

仕事に関して後輩に厳しいけど、ちゃんと自分にも厳しいし…。

あたしが怒っても、笑って許してくれる…。

あたしは、会える度、会える度に、加村さんのことを好きになっていった…。


けど。

あたしが、加村さんを大好きなように、彼にも大切な人が居たんだ。


< 7 / 65 >

この作品をシェア

pagetop