すれ違いのone-sided love
校内ですれ違う度、青山は声をかけてくるが、

「またあとでな」

“あと”などないくせに、いつもそう言って、冷たくあしらった。

相変わらず、家に帰ればメッセージも毎日来るのだが、

“ごめん。俺、実はメッセージって苦手なんだよ。だから、あんまり返信出来ない”

メッセージが得意でないのは本当だが、だからといって通話もしない、学校でも話さないのだから、流石に青山も頭にきたのだろう。

部活が終わり、友達と賑やかに帰宅しようとしていたところ、青山が体育館前でまちぶせしていた。

友達が囃し立てるのもあり、思わず僕は、露骨に顔をしかめてしまった。

まちぶせなんて気味が悪いし、空気が読めない奴だな…と、苛立ったのもある。

顔が可愛ければ、何をしてもいいと思っているような感じもした。

それは、あくまで当時の僕目線でしかないが。
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