すれ違いのone-sided love

「そこまで考えてくれてたんだ…」

「もう２５だし、考えるよ。籍を入れずに事実婚でもいいけど、家族でないと困ることもあるだろうし」

何しろ、世界中が、まだ先の見えない時代だ。

「家族…いい響きよね」

「青山家の伝統がどうこうって言うなら、俺も、青山さんって呼んだ方がいいのか？」

「あはは！それは、どっちでもいいよ、互いに尊敬し続けていけるなら、好きなように呼んで」

そりゃ、ずっと尊敬するだろう。

この恋が実ったのは、一時的な情熱ではなく、互いへの尊敬があってこそなのだから。

もし、タイムマシンに乗って、失恋でどん底だった頃の僕に出会うことが出来たとしても、この結末は絶対に教えない。





FINE