愛しているから 好きにしろ

 「「「えー!」」」

 多くの人たちが顔を押さえて、ムンクの叫びになっている。

 それはそうでしょう。驚くよ。
 だって、本当に普段の私とは全く違うもんね。

 業務部長が寄ってきて、達也君に話しかけた。

 「人が悪いな、本部長。それならそうと、私ぐらいには言っておいて欲しかったな」

 篠田さんが青くなってる。大丈夫だよー。

 「し、篠田さん。あの」

 そんな、後ずさりしないでくださいよ。

 「ひ、平野さん。ひどいよ。僕が何をしたって言うんだ。何で言ってくれないんだよ」

 「本当にすみませんでした。というか、結婚するとは決まってませんでしたので、言えませんよ」

 「え、そうなの?付き合っていただけ?」

 「はい、そうです。」

 「……奈由」

 「何?」

 「お前、付き合っていただけとはなんだ?」

 「えっと。まあいいじゃない。とにかく、婚約したんだし」

 「お前。覚えてろよ。あとでお仕置きだからな」

 
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