愛しているから 好きにしろ

turn2 同級生

 
 土曜日。
 いい天気だった。
 最近は初夏のような暑さと日差しがすごい。
 
 駅前で晴人と待ち合わせ。
 晴人はすでに柱の横で携帯いじりながら待っていた。

 「晴人、おはよ。ごめん、待った?」

 「いや、さっき来たとこ。」
 
 うん?何かいつもと雰囲気違うような……。

 「髪、切ったの?かっこいいじゃん。」

 横に少し刈り上げられてシャープな感じ。
 イケメンだけど、なんか大人っぽくなった。
 
 「ああ、昨日奈由と分かれてから行ってきた。暑いからな、短くした。そうだ、水族館どう?」

 「うん、いいね。暑いし、涼しくなれそうだし。私ペンギン大好き。それにシロイルカとかも好き。それに……」

 「はいはい、わかったから、行くぞ。」

 2人で並んで改札を入る。

 水族館は混んでいた。

 中で好きな魚をじっと見てたら一度晴人とはぐれそうになった。
 
 それからは、手を握られて歩いてる。

 念願のイルカショー。
 
 イルカを見て手を叩いていたら、横の視線を感じる。

 うん?晴人どうしてこっち見てるの?
 
 「晴人、どうしたの?」

 急に肩を抱き寄せられ、頬にキスされた。
 
 「え?」

 顔を見ると、知らぬふりをしてイルカの方を見てる。
 
 びっくりして、それ以降はイルカに集中できなくなっちゃった。

 
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