乳がん一年生

手術前検査:MRIと術前説明

月が替わり、2月の頭。
手術前の最後の検査、MRIです。
MRIを受けるのは初めての私。閉所恐怖症とかはあまり感じたことはないし、暗闇はあまり好きではないけれど目を閉じておけばあまり怖くはないだろうという心持ちで、今回も昼から仕事を早退して病院に行きました。
でも、今回の敵は閉所でも暗闇でも大きな音でもなかったのです。
それは、息苦しさ。
私のMRIのイメージは仰向けに筒の中に入っていく感じだったのですが、今回検査するのは乳房なのでなんと、うつ伏せでの検査だったのです……!
マッサージをうつ伏せで受けるときのように、顔の部分が空洞になっているベッドに寝そべるのですが、その他胸の部分も空洞になっていて、乳房が潰れたり広がったりするようなことがない状態になります。
ちゃんと検査ができるように、ちょっと乳房の位置も調整されます(笑)
うつ伏せなので狭さとか暗さとかもまったく気にならない状態でMRIが始まったのはいいのですが、問題はここから。
うつ伏せで一切動くことができない状態って、すっごくすっごく息が苦しいんですよ……。
機械の音がすごくうるさくてそれが嫌、なんて声を聞いたことはありましたが、それよりも息苦しいのがめちゃくちゃ辛くて、そこから意識を別のところに向けたくて寝てしまおうかと思うくらい。
でも苦しいので眠気はやってきてくれなかったので、必死で頭の中で歌とか歌って気を紛らわせていました。
やっと終わったと思って体勢を変えることができたときには心底ホッとしました。
そして私の場合、圧迫されていたからなのか胸の上がちょっとかぶれてしまい、しばらくかゆくなるという症状も現れました。
手術前の検査の中で、このMRIが一番きつかったです……。

検査の後、画像を見ながら先生から聞かされたのは、今回生検した一番大きなしこりの他にも複数しこりが確認されること。
確かに両胸の画像が素人の私が見ても明らかに違っていて、右胸にはたくさん影がちらほらと散らばっていました。
そして、そのしこりがすべて悪性かどうかはわからないけれど、良性だという確信もないので、乳房を全摘出する手術をしたほうがいいという判断になるということでした。
「全摘出したあと、すべてのしこりを調べます。もしかしたら今調べたこのひとつのしこりだけが悪性で、他は取らなくてもよかったって可能性がないわけでもないですが、そのまま残す選択をするのは難しいです」という先生の言葉に、私も残しておく勇気はなかったので、「全摘でお願いします」と伝え、年末の予定通り2月中旬に手術をすることに確定したのです。
あと、この日に先月受けた遺伝子検査が陰性だったという結果も渡されました。
「色々書いてるけど、このマイナス(ー)だけわかっておけば大丈夫だから。この紙は大事にとっておいてね」と先生に言われ、しっかりと病院ファイルへ入れておきました。

診察が終わった後、私には気になることがあったので病院にある相談センターの看護師さんに話を聞いてもらうことにしました。
それは、下着のこと。
実は私、見えないオシャレといいますか、お店で定期的に採寸して購入しているくらいちゃんと買ってたんです。
自分の体形に合ったものを身につけると、洋服のラインも綺麗に見えるし、ちょっとは痩せて見えるし(笑)
でも、今回手術をすることでそれは難しくなるけれど、せめて外に出るときに気にならないようにできる商品とかはないのかなあと。
看護師さんからは傷が癒えるまではハーフトップのようなものをつけた方がいいことと、柔らかいパッドを紹介されました。
術後しばらくしてからは重さのあるパッドや人工乳房などもありますよとのこと。
左右のバランスが崩れてしまうので、肩こりとかもしやすくなると言われ、今も肩こりな私のテンションは少し下がっております……。
だからこそ、少し重みのあるパッドとかを使ってバランスを合わすことも大事なんだそう。
人工乳房もサンプルがあり見せてもらったのですが、本物と見間違うくらいのそっくりさでした。
道とかに落ちてたら何か事件でも起こったのかと思ってしまいますよ、私。
このあたりは手術が終わってからゆっくりと考えていこうかなと思いました。

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