乳がん一年生

入院中のこと:2日目(手術日)

手術当日、お水の飲めるリミット7時まで水分補給を済ませ、昨日言われた通り8時過ぎに外来へと向かい手術箇所のマーキングをしてもらいました。
まだ診察前の外来受付はいつもと違って人も少なく、パジャマ姿で歩くのもそこまでは恥ずかしくなかったです。
そして、受付を待つ列を上から眺め、軽くムスカごっこしてみたり(笑)
マーキングはエコーを使ってペンで位置取りをするような感じでした。
帰り際、私の単なる興味なのですが気になることを先生に質問。
「あの、切除したお胸の重さって量ったりしますか?」
というのも、切除後バランスをとるのに肩こりとかがひどくなることもあるとがん相談センターの看護師さんから聞いていた私。
元々肩こりはひどい体質なので、これ以上ひどくなるのはしんどいなあと思っていました。
そこで、たまたまネットで見かけたコラムに、『なくなった分の重さでパッドを作ればいいのではと思って、先生にどのくらい切ったか聞いてみた』というインタビューを発見したのです。
市販のパッドの購入の目安にもなるかなあと思い、これはいいことを聞いたと思った私も聞いてみることにしたのです。
すると先生は、「うちの病院では基本的には量ってはないんですけど、量れそうなら確認しておきますね」と笑って言ってくれました。
後日談ですが、約束を守ってくれた先生からしっかりと重さを教えてもらいましたが、思ったほど重くありませんでした(笑)
よく、「胸の分だけきっと重いのよ」なーんて体重が増えたりしたことの言い訳に使わせてもらっていたけど、これこそ本当に言い訳だったようです。

外来から病棟へと戻り、手術の準備へととりかかります。
点滴を打つ手のひらにシールを貼り、手術着に着替え、看護師さんに連れられて徒歩で手術室まで。
昔盲腸の手術をしたときには(当時10歳)、病室でお尻に麻酔の注射打たれてそのままベッドで運ばれたのですが、今回は手術室の中にも普通に徒歩で入っていきました。
室内で自分の名前と今回の手術内容を自分の口で伝え、手術台へと上がります。
そして、麻酔科の先生がやってきて、「今から眠っていきますねと声をかけますからね」と言ってくれていたのですが、私にはまったくそんな記憶がなかったので、きっとその言葉の前に眠りについたようでした。
その後は当然のことながら記憶もなく、ぼんやりと目覚めたときにはまだ手術室の中。
先生や看護師さんから「手術無事に終わりましたよ。気分はどうですか?」と声をかけられたのですが、「……眠いです」と告げ、また眠りについてしまった私。
次に目覚めたのは病室の中でした。
コロナ禍ということもあり、家族の立ち会いもできないため手術終了の電話連絡だけ妹にいくようになっていたのですが、その際に妹にはリンパ切除がなかったことが伝えられていたようで、後で妹からその話を聞きました。
ただ、転移は2個あったということなので、治療方針とかも変わってくるのかもなあと少しがっかりとしている自分がいました。
でも今の段階では病理検査の結果を待つしかありません。
今は術後の回復に努めることが重要です。

と、気合いを入れるもこの日の夜は、人生の中でおそらく一番眠れない夜を過ごしたと思います。
なぜなら私の手術は午前中、要は午後から半日以上ずっとベッドに横になって眠っていたわけです(麻酔の関係か、とにかくずっと眠かった)
とにかく、腰が痛い。痛すぎる。
そして24時間以上何も食べていないので、お腹が空いて空いてたまらない(夕方からお水は飲めるようになったけど、食事は不可)
ぐるぐると鳴るお腹、めちゃくちゃ痛い腰。
寝返りは打っても大丈夫とは言われているけれど、尿の管やドレーン(傷口からの体液などを出す管)に繋がれているから、外れたら怖いし傷痛いしで思ったように寝返りを打つこともできません。
傷の痛みに関しては痛み止めを処方してもらったりして緩和されてはいたけれど、とにかく空腹と腰痛でほとんど眠ることができませんでした。
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