乳がん一年生

入院中のこと:1日目

さて、入院初日です。
元々普段から荷物が多い私ですが、今回も周りの入院経験者に聞いたりネット調べの「持って行ったほうがいいもの」やら、自分の中で必要だと思ったものなどを詰め込んだ結果、一体どこに行くんだろう? っていうくらいの大荷物になってしまいました……。
朝の10時に来てくださいと病院から言われていたのでその時間に行くと、入院手続きにはたくさんの人が。
1日にかなりの人が入退院をされているのだなと感じました。
整理番号を渡され、呼ばれた順に手続きをすませると、一度外来の受診がありました。
手術前の朝に、胸やリンパの位置をマーキングしておくので再度来てくださいという話を聞き、それから病棟へと移動しました。
今はコロナ禍ということもあり、ナースステーション前で荷物を持ってきてくれた家族とはお別れです。
しかし、ここでプチ事件が。
看護師さんから、入室する部屋の件でこんな説明があったのです。
「大部屋希望されていたと思うんですが、いま満室で。なので、追加料金はかからない個室に一旦入ってもらうことになるんですけど、ここにはトイレがないんです。よろしいですか?」と。
「……いや、私個室希望していたんですけど?」
確かに先週の入院説明の際にはそのように希望を出し、受付の方からは「症状や状況で希望通りにはならないこともありますが、個室希望で伝えておきますね」と言われたはずなのに、なぜか大部屋希望という話になっていたようです。
しかし個室も満床で、今回私が案内されるのは普段は空けておくような重症患者が入る部屋だったようです。
確かに重症の患者さんはトイレも自力ですることもないだろうから、部屋にトイレがないのもなんとなく納得です。
部屋が空いたら移動するようになります、と説明を受けて入院生活を始めることになりました。

昼食から病院食となり病室で過ごすことになりますが、この日は特になにもすることがないため、パジャマにも着替えず洋服のままでウロウロとしていました。
手術前日ということもあり、21時以降は食事は不可、翌朝の7時まではお水やお茶なら飲んでもいいよという制限があるくらいでした。
そして、この入院生活を快適に過ごすアイテムのひとつとして私が持ってきていたのがティーパック。
ノンカフェインの緑茶とかハーブティーとか色々と持参しており、電気ポットの持ち込みは禁止されていたもののどこかでお湯はもらえるようになっているんだろうなと思っていたからです。
しかし、私の入院している病院では、お湯は用意されていなかったのです……!
コロナ禍の状況だからなのか、元々方針として用意はしていないのかは訊ねていないのでわかりませんが、お湯をもらう気まんまんでコップにスティックの粉末を入れた状態で「お湯はどこにありますか?」なんて看護師さんに聞いてる私の姿は、きっと哀愁漂っていたと思います。
解決策としては、院内にあるコンビニエンスストアにて白湯が販売されていたので、それを購入して温かいお茶を飲むことに成功しました。
この後、洗濯物を持ってきてくれる家族に魔法瓶にお湯を入れてきてもらうようにし、今後の入院生活でティーパックを使用していくこととなります。
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