竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「アビゲイル嬢がここに来ていると聞いてな。リコ、少し彼女と話しても良いだろうか」
「も、もちろんです!」


(私は二人の話を聞いていてもいいのかな? それとも今の会話は私に出て行ってほしいっていうこと?)


 竜王様の真意が読み取れない私は、不安になってシリルさんを見上げる。するとリディアさんが「リコ様のお茶もお取替えしますね」と言って、新しいものに変えてくれた。シリルさんもニコリと笑って、うなづいている。


(お茶を新しくしたってことは、ここに居ていいのかな?)


 すると三人の前に新しいお茶が用意されたタイミングで、竜王様が話し始めた。

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