竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


 気づくと私は競技場の真上に仰向けで浮かんでいて、体を動かすことができない。体全体を何かで押されていて、糸もないのに宙づりのようになっている。まるで私のまわりだけ、時が止まってしまったようだ。


 しかもその押し込んでくる何かには、小さな小石がたくさん混じっていて、私の体に小さな傷をつけていく。


「痛っ……!」


(こんなの、普通の風じゃありえない!)


「きゃあ! 誰か飛ばされてるわ!」
「おい! 女性が空中に浮いてるぞ!」

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