竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

(約一頭だけ王宮に行きたがってたけど、みんなわかってくれて良かった良かった)


 説明を終えホッとして後ろを振り返ると、なにやら竜王様たち四人が話している声が聞こえてきた。


「まさに竜王様のお妃様に、ふさわしい光景ですな! 壮観だ!」
「う〜む。竜たちがなんとリコ様を褒めているのか、メモを取っておきたかった」
「さすが私の主のリコ様です! あんな竜を従えるところを見て、尊敬しない者などおりません!」

「ああ、この状況を知って、結婚に反対する者などいないだろう。それにしても、すべての竜を意のままに操れる者がいるなら会ってみたいと思っていたが……まさかそれが、リコだとはな」


 その言葉どおり、後日やり直されたお妃様選定の儀では、竜人女性たちからも大歓迎された。しかも水晶の光り方が前回とまったく違ったらしく、部屋中が虹色に輝き、光の粒が私のまわりをキラキラと輝かせるので、皆はすぐに私が本物の運命の花嫁だと納得してくれたのだった。
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