竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜


「みなさん、ありがとう! ヒューゴくんもクルルくんも、キールくんもありがとね!」


 手を振って皆に応えると、今度は騎士団のみんなが集まってくれた国民に向けて、赤い花びらを散らし始める。


「わあ! きれい!」
「これは王族から幸せを分け与えるという意味があるんだ。この花びらは縁起物として、乾燥させてお守りにする者も多いぞ」
「素敵ですね!」


 澄み切った空の下、竜騎士が降らすたくさんの赤い花びらは、とても華やかで幻想的だった。この時ばかりは短気な竜人たちも喧嘩せずに、楽しそうに花びらを取ろうと笑っている。


「みんなも楽しんでるようで、良かっ……んう!」


 今日というおめでたい日は、私に和んでいる暇はないらしい。すぐにリュディカの熱いキスが再開し、みんな大盛りあがりで祝福の言葉をかけてくれている。


 なんとか唇を離しジロリと睨むと、リュディカはフンと鼻で笑っていた。


「こんなことで、赤くなってどうするんだ? 今夜はもっと――」
「あーあー聞こえなーい!」
「まったく、今夜は覚えておけよ。今以上に赤くしてやるからな」
「うう……」


 そうして私はリュディカの宣言どおり、たっぷりと甘い夜を過ごし、しばらくは彼を見るだけで顔を赤くしてしまうのだった。
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