婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される


「なに? 魔力? おまえ、知ってるか?」
「私の家系で魔力持ちは、いないですけど……」
「それに昨日は、ジーク王子が、お前を見初めた様子は無かったということか?」
「そうよ。むしろ私の体を調べたいと言って、部屋に連れ込もうとしたの」
「なんだと!?」
「フィリップ王子が助けてくれなかったら、私どうなっていたか……」
「なんですって!!」


 広い部屋なのに私達は顔を寄せ合い、なぜかこそこそと話す。しかし私の話を聞くにつれ両親は怒り始め、父は持っていた求婚の手紙をグシャリと握りしめていた。そして私達3人が出した結論は……


「「「怪しい……」」」



「よし! 父さんはちょっとこの手紙を持って、城に行ってくる。もしかしたら偽物かもしれないしな」


 そう言って父はあっという間に城に向かって、エドを連れて帰ってきた。なんで?


「こんにちは、ローズ嬢」


 エドはニコリと私に微笑んでいるけど、機嫌が悪いのがひと目でわかる。私だってこの展開は驚いているんだからね! 私達4人は早速応接室に向かい、話し合いを始めた。



「結論からお伝えしますと、この求婚はローズ嬢の魔力を狙っていると思われます」

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