婚約破棄寸前の令嬢は、死んだ後に呼び戻される


 しかし俺の予想以上に、2人の仲は進展していく。あの時5才だった2人は学校に行くようになっても、べったりと2人でいるらしい。サラはもちろん可愛いが実はエドワードも見事な金色の髪に青い目をして、まるで王子の様な美形だ。それなのにどんなに可愛い女の子が話しかけても、すぐサラの所に行ってしまうらしい。



 そしていつも2人の世界に入ってしまうので、8才にして子供はもちろん大人達からも「2人は結婚しそうだな」なんて言われる。だが、まだ認めない。



 そんな2人の事で今でもよくわからない出来事が1つだけある。2人が遊んでいるのを見ていたある日、サラが突然エドを見てこう言った。


「あ、思い出した! あなたエドじゃない!?」


 今さら何を言っているんだ? と思ったけど、サラはきゃあきゃあ言って大喜びしている。反対にエドワードは「サラ、どうしたの?」と言って不思議そうだ。エドワードもよくわかっていないらしい。本当にあれはなんだったのか、今でもよくわからないな。


 しかもその後俺を見て「お父さんもお父さんだ!」と喜んでいた。わけがわからないが、大喜びで抱きつく姿は可愛いから良い思い出だ。



 まあ、そんな平和な日々を過ごしていたのだが、2人が10歳になった頃やっぱりこの日がやってきた。


「私たち、結婚します!」


 ちょっと早いんじゃないか? 2人は手をつないで、両家族の前で結婚宣言をした。

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