若旦那様の憂鬱
入浴前に鏡でネックレスを改めてみる。

ああ、これは首輪みたいだなと思う。

ご主人様は花で俺は花の忠犬だ。
悪くないと思う。

俺は花に縛られる事を楽しみたい。
まぁ、既に出会った頃から知らないうちに俺の心をがんじがらめにして離さない感はあるが。

本人はそれをまったく気付かず。
その魅力を結婚しても尚、振り撒いてくる。

その度俺は心乱され、振り回される。
それが嬉しいと感じる俺も大概だなぁと思うが、生きてる意味を感じられる。

彼女を守り愛しみ、幸せを与える事が俺の生きがいだと結婚してから、より強く実感している。

花はそんな俺の重い思いなんて気にせず、
幸せに日々を楽しく生きて欲しい。
< 284 / 336 >

この作品をシェア

pagetop