若旦那様の憂鬱
次の日、
花が目を覚ますと隣には柊生が眠ていた。

前髪を下ろすと幼くなって可愛いなと思う。

それなのに昨夜の柊生は、
盛りのついた野良犬みたいだったと思い出し赤面する。

頬にそっと触れてみる。
少しチクチクするのはおヒゲなのかな?
すべすべに見えるのに、
やっぱり男の人なんだなぁと思いしばらく触れてしまう。

突然ぎゅっと引き寄せられてびっくりする。

「おはよ、花…。」

「おはよう。起こしちゃった?」

「…いや、起きたく無くて微睡んでただけだ。」
柊生は花の頬を撫ぜながら笑う。

「良かった…、昨日は身勝手に抱き過ぎたから嫌われやし無いかと心配した。」
そう言って頬にキスをする。

嫌いになんてなる訳ないのに…

「さぁ、今日は花が行きたがってた動物園に行こうか。いっぱい歩かないと行けないけど大丈夫か?」

「多分大丈夫、頑張ります。」

「頑張らなくてもいい。
早めに帰って明日また行けばいいんだから。こんなに自由なのは今まで無かったな。
しばらく堪能して帰ろう。」

「えっ?北海道に何日いるつもり?」

「飽きるまで、花がもう帰りたいって言うまでいるつもりだ。」
そんな事したら、旅館が大変なんじゃない?
心配顔で柊生を見つめる。

「康生がいるし、俺がいなくてもどうにかなるだろ。」
本当に…大丈夫かなぁ?と思うけど、

とりあえず今日は動物園を堪能しようと、
花は朝風呂に入り身支度を整え、朝ご飯を柊生と一緒に食べる。

昨夜はまったく食べなかったから、
朝ご飯が美味しくていっぱい食べ過ぎてしまう。
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