若旦那様の憂鬱
早速着替えて、髪を少し洋装風にアレンジしてもらいお化粧も直す。

「いいねー。これはモテモテ間違いない。」

京子さんがそう言って冷やかす。

「いえいえ、モテたい訳ではないので。」
花は苦笑いする。

全て完成してレンタル代を聞くと、お代は若旦那から頂いたので大丈夫だと言われてしまう。

「柊君、お金出し過ぎだよ…。」
花は思わずそう呟く。

「花ちゃん、お兄ちゃんなんだからもっと甘えちゃえばいいのよ。腹違いだからって遠慮しちゃダメよ。
兄として当たり前だからって、若旦那も言ってたし大丈夫よ。」

「そうですか…。
京子さんありがとうございました。」

「せっかくだから隣りで写真撮って行ったら。写真館の前田さん、後は集合写真だけって言ってたから今、暇してると思うわよ。」

「ちゃんとした写真って撮った事ないですけど、要るものですか?」

「記念に取っておけばいいのよ。
それに今後、お見合いとかで使えるかもよ?」

あ……お見合い、忘れてたけど…近々あったな。

「そっか、近々ちょっと必要になるかもなので、一枚だけお願いしてきます。」

「えっ⁉︎何、花ちゃんお見合いするの?」
京子はびっくりする。

「…かも知れないので、あるに越した事は無いですよね。」

「そ、そうね。いつ何時でも有れば使えるわね。」

えっ…それって若旦那は知ってるのかしら…これは過保護な兄に伝えなくちゃだわ。
と京子は密かに思った。

花は隣の写真館に行って写真を撮る。
 
スナップ写真でいいと言ったのに、前田さんはノリノリで撮りまくり気付けば出発まで、30分前。
「前田さん、ありがとうございました。」

花は慌てて写真館を飛び出し、茶室に戻ってバックとコートを手にして、タクシーをお願いする為ロビーに急ぐ。
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