俺様弁護士は激愛を貫きとおす

9.三択=(イコール)一択?

「え……っと」
「バスルームどっちだ?」
 絶対に逃がしてくれそうにない視線で覗き込まれて優羽はバスルームを指さした。

「俺も浴びたい。付き合って初めて優羽を抱くのに汗臭いのは遠慮したいからな」
「あの! じゃあ、浴びてきていいから。私もすぐ浴びるし」
「一緒に、と言ったよな? それとも、このままするか? ここで」

 ここで、とは玄関のことだろうか。その時近くの部屋のドアの閉まった音がした。優羽は一生懸命首を横に振る。

「無理! ここでなんて絶対ダメ!」
「だな? 優羽、この前のこと覚えているか? 声が抑えられないって甘い声何度も上げていたよな? ここで啼かされたい?」

「昂希くんのいじわるっ」
「へえ? 今頃知ったのか?」
 知ってたけど!知ってたけど!
 そう言ってにっと笑う顔さえ魅力的だって知ってたけども。

「大体、身体なら最初の時もこの前もさんざん見たし、今更だろう」
「今更ならシャワーなんて一緒にしなくてもいいじゃない」

 優羽はキリッと城ヶ崎を見返した。
 ──頑張って反論したわっ!
 その瞬間城ヶ崎の目がきらっとしたのが見えた。
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