俺様弁護士は激愛を貫きとおす
 目を覚ましたとき、あまり覚えのない天井が目に入って、優羽はそれが会社の救護室なのだと気づいた。
(倒れたのね……)

「優羽」
 目の前にいたのは、ここにいるはずのない人物だった。心配そうな顔で、目を覚ました優羽を覗き込んでいる。城ヶ崎だ。

 その姿を見るだけで優羽は安心した。端正なその顔が憂慮を含んでいる。

 きっとたくさん心配させてしまった。そんな城ヶ崎に向かって優羽はそっと声をかける。
「昂希くん」

「帰りに優羽に声を掛けようとしたら、倒れて救護室に運ばれたと聞いたから。大丈夫か? 過呼吸をおこしたらしいぞ」
 低い城ヶ崎の声が救護室に響く。

「過呼吸……」
「なにかあったのか?」

 優羽は城ヶ崎をじっと見る。誰でも見とれてしまうほどの端正な顔立ちだ。綺麗な人だなぁとしみじみ思う。
 なのに優羽と視線が絡むと、城ヶ崎はそっと目を逸らした。
「そんなにじっと見たら、何かしたくなる」

 ふっと笑って城ヶ崎は優羽をそっと抱きしめる。
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