イケメンエリート、最後の独身


「どうぞ」

 萌絵はクリーム色のマグカップにコーヒーをたっぷりと注いで持ってきてくれた。

「コーヒーメーカーも新調したばかりで、こうやって謙人さんにコーヒーを淹れる事ができて嬉しいです」

 萌絵は小さなランチョンマットをテーブルに敷いて、その上にマグカップと可愛らしいクッキーを添えて置いてくれた。
 謙人はコーヒーを堪能する。謙人自身の感情的なものも加味されて、とても美味しいコーヒーだ。

「萌絵ちゃん、美味しいコーヒーを本当にありがとう。
 これで酔いもだいぶ治まりそうだよ」

 萌絵はニコニコ顔が止まらない。

「私、いつか、謙人さんにちゃんとお礼をしなきゃと思っていたんです。
 コーヒーだけじゃ全然足りないんですけど、でも、謙人さんが喜んでくれて本当に良かった…」

 萌絵は謙人の空っぽになったマグカップに更にコーヒーを注ぎ、自分のマグカップを持ってもう一つに椅子に腰かけた。
 小さな二人掛けテーブルは萌絵の顔が近くに見える。謙人はそんな萌絵の顔を真っすぐに見て優しく微笑んだ。


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