君の答えを、教えて。
重めのドアを開けると、何色でもない空が広がっていた。

無色透明、そんな世界であってほしい。

そんな願いもままならないまま、ぎゅっとノートを握る。

このノートを離さないで落ちられればミッション成功。

そのまま死んでミッション成功。

さて、どんな死に具合だろう。

初めて死ぬなぁ……。

あ、死ぬのはみんな初めてか。

なんてぼんやり考えてから、屋上の手すりに手を乗せる。

目を瞑ってゆっくりシュミレーションをしてみた。

上手い具合に手すりをまたいで、その後手を離して落ちていく。

景色も楽しみ。

手すりをぎゅっと掴んだ。

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