君の答えを、教えて。
朝、すずめが鳴いている。

窓を開けると灰色にでもなりそうな空。

近くの工場の煙。

快調でもないわたし。

そして取り残されたノート。

今日は早めに起きたんだからパンでも食べて学校に向かいたい。

地味な朝食とも言えないようなものを口に詰め込み、重たいドアを開けた。

庭の木々は他よりも枯れていて弱々しかったけれど、それでも手入れはされているみたいだった。

「……庭木を手入れできるなら、わたしのこと考えてよ」

って、昔はお姉ちゃんと話していた。

でも今はお姉ちゃんの中に彼氏という新しい人がいて、親のことなんて考えてもいないはず。

だから今はそんな会話が生み出されることもない。

そもそも最近お姉ちゃんと喋ってないんだけどさ。

はあっとため息をついてから庭に背中を向けた。

朝が早いからか、それとも冬になりかけだからか、ちょっぴり寒い。

制服のスカートと靴下の間の足が風でかじかむ。
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