跡取りドクターの長い恋煩い
 「……宗司くんがどこかに行っちゃいそうで酔いがさめた」

 「ご、ごめん!」

 「違う。私こそごめんね、さっきまで少し酔ってたみたい……」
 
 「……」

 ああ、くそっ! さっきまでの笑美里、可愛かったのに。いい雰囲気だったのを俺が壊した……。

 「宗司くん、私は嬉しかったのよ?
 小学校の時からずっと私だけを想っていてくれたって聞いて嬉しかったの。
さっきも言ったけど、今はもう宗司くんのことが大好きって自覚してる。だからね、過去の宗司くんにお相手がいたとしたら、私きっと嫉妬しちゃう」

 「……」

「今は違うって言われても、やっぱり嫌なものは嫌だと思うの。
お料理以外の修行なんて嫌。
 誰かを好きになるのは初めてだから、こんな気持ちになったことがなかったけど、これはきっと独占欲なんだと思う。
私、宗司くんの全部が欲しいわ」

 「笑美里……」
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