跡取りドクターの長い恋煩い
 触ることで納得したわけではない。
 私が触ることで歯を食いしばりながら耐えている宗司くんを見ていると、不思議な気分になった。

私の手にこんなに反応してくれるなんて……。

もう限界! と言われると、受け入れてあげたくなったのだ。
 
 私を再び押し倒した宗司くんがまた深く口づけてくる。
下肢へ指を差し入れられるとそこはさっきよりも明らかに濡れていた。

 敏感になってじんじんする部分を、手の平で円を描くように刺激しながら宗司くんの指がさらに奥まで入ってきた。

 「ああっ……んふぅ……や、やだ……かき混ぜないで……」

 「……痛い?」

 痛くはない。でも――。

 「や……怖い……」

 「俺の肩に手、置いて。掴まっていいから。声も、我慢しなくていい……」

 「宗司くんっ……あ、あんっ、も、だめぇ……!」

 動きを止めることのない宗司くんの手が私を高みに押し上げる。一瞬目の前が真っ白になって、私はイかされてしまった。
 
 「……ハァ、ハァ……」
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