跡取りドクターの長い恋煩い
私は1週間前にここへ引越ししてきたところだ。
そして彼は2日前、突然隣の部屋に引越してきた。
私が501号室、彼は502号室の住人だ。
このキッチンに立つ彼は、廣澤宗司(ひろさわそうし)26歳。
関西ではトップの学力を誇るK大医学部を卒業し、そのままK大で2年初期研修医として過ごした後、この春廣澤総合病院の内科に入局した内科専攻医だ。
その名の通り、廣澤総合病院副院長の息子で、廣澤の跡取りでもある。
昨夜の新歓には彼も新入局員として参加していた。
副院長である彼のお父様と話したのは覚えている。「廣澤に来てくれて嬉しいよ」って言ってくださったのよね。
私の父は現在大阪で内科医として開業していて、副院長とは大学の同期だった。同じ内科医局に入局した二人はとても仲が良かったそうだ。
だから私と彼は家族ぐるみの付き合いで、小さい頃は副院長にも可愛がって頂いていた。
ただ、私が廣澤綜合病院に研修医として来たのはそれが縁という訳ではないのだけれど……。
そして彼は2日前、突然隣の部屋に引越してきた。
私が501号室、彼は502号室の住人だ。
このキッチンに立つ彼は、廣澤宗司(ひろさわそうし)26歳。
関西ではトップの学力を誇るK大医学部を卒業し、そのままK大で2年初期研修医として過ごした後、この春廣澤総合病院の内科に入局した内科専攻医だ。
その名の通り、廣澤総合病院副院長の息子で、廣澤の跡取りでもある。
昨夜の新歓には彼も新入局員として参加していた。
副院長である彼のお父様と話したのは覚えている。「廣澤に来てくれて嬉しいよ」って言ってくださったのよね。
私の父は現在大阪で内科医として開業していて、副院長とは大学の同期だった。同じ内科医局に入局した二人はとても仲が良かったそうだ。
だから私と彼は家族ぐるみの付き合いで、小さい頃は副院長にも可愛がって頂いていた。
ただ、私が廣澤綜合病院に研修医として来たのはそれが縁という訳ではないのだけれど……。