心霊現象 研究同好会

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【 諏訪 芽衣子side 】


………

……




あれからしばらく時間が経った。

カレーライス作りを無事に終え、今はみんなでワイワイと食事をしているところだ。


火を起こすのに苦労したことや、龍泉寺くんの華麗な包丁さばきの話だったり、それに見とれる穂乃果ちゃんの話だったり。

みんなと色々なことを振り返りながら食べるカレーは、本当に美味しくて。

胸の奥のチクチクした痛みはまだ残ったままだったけど、それでも私はいつもと同じように笑顔になることが出来ていた。


そして、食事も終盤になってくると……話題は「次」へと移っていく。



「そういえばこのあとの肝試しって、二班合同で回るって話だったじゃん? でもさっき先生たちがコソコソ話してたんだけど、一班ずつの出発になるみたいだよ」

「え、そうなの?」

「うん、予定よりも早く夕食作りが終わったからーって。 それならさっさと全部終わらせて自由時間を多めにしてくれればいいのにね」


「ほんとだねぇ……」



確かに、夕飯作りはわりとスムーズに進んでいた。

それはうちの班だけじゃなくて、どこの班もそうだったみたい。

だから予定よりも三十分くらい早く準備が終わって、夕食の時間も三十分繰り上げになった。


だから夜の散策も早く始まるというのは全員が予想していた。

けれど、まさか一班ずつ出発させて、終了時間の方に合わせてくるとは思ってもいなかった。

沙綾ちゃんが言った通り、自由時間を長くしてくれればいいのに……。


と考えていた時、学年主任の先生が 各所で食事を取っている生徒全員に聞こえるように大きな声で話し始めた。


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