無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない
(レイラ! どこだ? )
しかし優勝した俺に一言でも話そうと人が集まってきて、レイラの姿が見つけられない。キョロキョロと彼女を探していると、誰かに袖をくいっと引っ張られた。
「グレッグ様、レイラ様は迷惑していますよ」
「は?」
俺の袖を馴れ馴れしく引っ張り話しかけてきたのは、先日騎士団まで訪ねてきた令嬢だった。
(たしかシャルロット嬢だったか。この令嬢はいきなりなんてことを言うんだ!)
親しくもないのに挨拶無しで話しかけるその態度に苛立ちを感じる。しかしシャルロット嬢の言葉を否定しようとした瞬間、一番聞きたくない言葉が耳に入ってきた。
「レイラ様は好きな人ができたみたいです」